<月と農業の関係>

我が国日本には四季折々にそれぞれお祭りや風習が存在しますが、秋の風習と言えば、お月見ですね。

十五夜のお月見は、これから始まる秋の収穫期を前に、“豊作を願う”“収穫に感謝する”という収穫祭としての意味合いも含まれるものです。
稲に見立てて飾ったススキ、木製の台(三方)に積み上げた月見団子、それにお神酒などをささげます。

地域によっては、月見団子ではなく、里芋、栗、枝豆など収穫されたばかりの農作物を供え、豊作に感謝していたようです。中でも里芋を供えるのは一般的でした。

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さて、お月見の日は、「9月15日」「9月の満月」と思われがちですが、それは少々間違いです。
かつての旧暦では、毎月15日を十五夜と呼び、特に、旧暦8月15日の月は“中秋の名月”と呼ばれ、1年のうちで最もきれいな満月を見ることができる日と言われてきました。※1

中秋の名月は「8月15日」というのは、旧暦の数え方にあたります。
旧暦の数え方をそのまま現代の暦に当てはめると、2018年の場合、中秋の名月の日は9月24日で、満月の日である9月25日の前日です。
このように、中秋の名月は満月とは限りません。10月にずれ込むこともあるのです。

もともとは古代中国の文化が平安時代に日本に入ってきて貴族の間で、月を愛で歌を詠い管弦を行う雅な行事と広まりましたが、庶民へ広く十五夜を楽しむようになったのは、江戸時代に入ってからだといわれます。
庶民には収穫祭や初穂祭の意味合いが大きかったようです。

江戸時代から十五夜を楽しむようになったとお話しましたが、月を神聖視する風潮は、古代より日本には存在していました。※2
月の満ち欠けのサイクルは、人々には農業を行う重要な目安とされていたからです。
実際に日本各地には、経験に基づいた月と農業に関する言い伝えやことわざがありました。
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例えば、
「メロンは満月の大潮に交配するとよく実がつく。」

「ダイコンの収穫は新月にするよといい。満月に収穫するとスが入りやすい。」

「果物の苗木は下弦の月の15日間に移植すると、実の成りが少ない。」※3 等です。

また、月や農業といったワードで検索をしていると、ビオディナミワイン(自然派ワイン)の話を見かけます。
ビオディナミワインとは、農薬など化学的な処理を行わずに、自然の力のみで生育したブドウを、自然の力を使って発酵させ、人工的な処理を抑えたワインのことで、その生育スケジュールの指針になっているのが月の満ち欠けなのです。

昔の人々の月と農業の関係をイメージするには、このワインの存在はとてもわかりやすかったです。
つまり、満月や新月のタイミングというのは、農業にとって大切な時期なのです。

十五夜のころは稲が育ち、間もなく稲刈りが始まる時期。豊作を祈願し、人々は最後に月へとお祈りをしていたということですね。
日本神話に登場する月の神、月読命の名前からも「月」を「読む」という名前から、当時の人々の月への考え方が伺えます。

来る9/24の天気は、現在曇り※4の予定ですが、弊社農園SUNファーム市原の収穫を願って、お供えしてみるのもいいかもしれませんね。

※1 http://www.astroarts.co.jp/special/2018moon/index-j.shtml

※2 [図解]神道としきたり事典: 日本人なら知っておきたい!

※3 http://blog.new-agriculture.com/blog/2013/08/1437.html

※4 気象庁HP 

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