<千葉の農業>
千葉県は比較的温暖な気候であることと、首都圏が近く流通しやすいという点から農業の環境にも恵まれ、「農業産出額全国第4位」という実績を収めています。
栽培される作物が多いのも特徴ですが、以下13品目が全国1位の産出額です。(2015年度データ)
ねぎ、日本梨、ほうれん草、落花生(殻付き)、
枝豆、かぶ、さやいんげん、マッシュルーム、
春菊、なばな、パセリ、みつば、ストック
千葉県の総面積は 51.6 万 ha 、主な土地利用状況(平成 27 年)をみると、
農用地が 12.7 万ha(24.6%)です。
先にお話しした農業算出額で全国1位にもなっている品目で、かつ千葉では特に有名な落花生は市場の約8割を占めています。
千葉での落花生栽培は戦前から既に盛んであり、1876年に始まったとされています。
一説では、地中で実を付ける落花生は関東ローム層の火山灰地が適しているからのようです。
<てんとう虫が売られている!?>
農業の研究も進んでおり、病害虫対策として、「テントロール」という商品があります。いわゆる生物農薬と呼ばれるものです。
千葉県立農業大学校で開発された商品で、一時的に飛べなくしたてんとう虫(ナミテントウ)を使って害虫を捕食させたり、微生物農薬を付着させて作物の健康を守るというものです。
開発者の方が言われるには、「いちご農家」ではミツバチを使った受粉を行っているが、その間農薬が使えなくなってします。そこで思い付いたアイデアとのことでした。菌を乗せたてんとう虫はまるで戦車のような重厚感があります(笑)
袋に上記のような処理を施したてんとう虫が数匹入っており、2ヶ月程度でてんとう虫は飛べるようになり自然へと帰るようです。
※てんとう虫の平均寿命はおよそ6か月
※1袋10匹入りで500円
<千葉農業の問題点>
日本の農業において、北海道は広大な土地を利用して圧倒的な1位という地位を作っていますが、それ以外の県においては大差なくブランド力というところでは千葉県も試行錯誤している様子が伺えます。
またこれは千葉県に限ったことではないのですが、農業従事者の減少や高齢化による後継者不足が深刻で、耕作放棄地も年々増加傾向にあるようです。
繰り返しの内容になってしまいますが、農林水産省による平成21年度実施の全国市町村のアンケートによると、耕作放棄地の要因は
「高齢化・労働力不足」という内容が最も高くなっています。やはり若い人間に対して魅力ある農業・農家に変えていく必要があるのだろうと思われます。
その他は「農産物の価格低迷」「収益の上がる作物がない」等が取り上げられていました。
農業のビジネス化というところがやはり課題なのだろうと思います。
一度、放棄された土地は回復までには相当の時間と費用がかかるため、県としても対応に追われている様子です。
※ 千葉県では昭和60年に3,178haしかなかったものが、平成27年には19,062haとなり、6倍に増えています。
千葉県では制度や交付金などを推奨し、このような事態への歯止めをかける努力を行っています。