2016年時点では約20兆ドルだった米国の債務ですが、この10年間で2倍に膨れ上がっており、2026年3月に39兆ドルに達してから債務の増えるスピードが更に加速して、わずか5カ月足らずでさらに1兆ドルが積み上がり遂に40兆ドルを突破しました。
米国の連邦政府債務が史上初めて40兆ドルを突破したというニュースは、世界中の金融市場や経済アナリストの間で大きな衝撃と懸念を持って受け止められているようですが、現在の米国の政治・経済構造を見る限り、彼らが本気で債務を減らそう(緊縮財政に舵を切ろう)という意思は感じられません。
米国が債務を減らさない理由は、「軍事力」「産業力」「メディア」の3つを牛耳る「力」が米ドルであるという神話が未だ崩れていないと踏んでいるのでしょう。即ち、軍事力で世界のエネルギー利権を握り、産業力で世界中の富と最先端テクノロジーを吸い上げ、メディアで「米国とドルは今後も絶対だ」という世論(信用)を作ることがこれからも機能するという前提で動いているのだと思われます。
米国がいくら借金を40兆ドルに増やそうとも近い将来100兆ドルを突破させようとも、これら3つの土台が崩れない限り、ドルは基軸通貨であり続けることができるのでしょうが、最近ではこの米国の3大覇権の綻び(ほころび)が見え始めており、いつ何時1990年のソ連のようになるのか不安に思っている知識人、有識者は米国内でも少数派とはいえ確実に増えてきているように見受けられます。
日本の私たちにとって、これは「対岸の火事」どころか、自分たちの足元がすでに燃え広がっているレベルの死活問題です。日本は米国のドル覇権システム(軍事・産業・メディア)に世界で最も深く組み込まれている国であり、米国の債務危機やドル価値の目減りは、日本国民の資産や生活を直撃する強烈なリスクとなっています。
ソ連が崩壊した当時、東ドイツはソ連の社会主義陣営の中で最も忠実であり、経済的にも優等生とされていました。しかし、宗主国であるソ連(システムの発行体)が内側から崩壊したとき、そのシステムに最も過剰に適応し、依存していた東ドイツは自立の術を失い、国家そのものが消滅するという最大のダメージを負いました。
米国がすぐに崩壊するとは考えにくいですが、結論として私たちが理解すべきことは、米国が本気で債務を減らす気がなく、ドルの発行を続けるならば、私たちが持つ「現金の価値」は目減りし続けるということ、「米国が破綻する」というよりも、当面は「ドルや円といった紙幣の価値がどんどん下がっていく」というシナリオが現実的であるということです。
現在の日本という国家単位では、今すぐ「米国依存」から脱却することは政治的にも構造的にも不可能です。しかし、個人単位であれば、システムと心中しないための「個人的なプランB」を用意することは可能です。歴史を振り返れば、システムが崩壊するときに生き残るのは、「周囲から冷笑されながらも、黙々と準備をしていた人たち」です。
あなたにプランBはありますか?
Written by Kenya IKUTSU
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