現在の世界に蔓延っている悪性のインフレやスタグフレーションを招いている最大の要因は、政府による過度な通貨供給(中央銀行の財政ファイナンス)とそれに対する「通貨の信認失墜」と考えられます。
政府の放漫財政や巨額の戦費、債務支払いのために、中央銀行が際限なくお金を刷って政府を支える「財政ファイナンス」を放置していると、ペーパーマネーそのものの価値が急速に薄まることは歴史を振り返れば自明の理です。
歴史はまったく同じ形で繰り返すことはありませんが、現在の日本が抱える「巨額の国家債務」及び「事実上の財政ファイナンス(日銀の国債引き受け)」という構造は、歴史上のいくつかの転換期と不気味なほど酷似しています。
最も構造が似ているのは、革命直前のフランスではないでしょうか。当時のフランスは、長年の戦争と放漫財政により、国家予算の半分以上が債務の利払いに消える「借金大国」でした。当時のブルボン朝は、特権階級(僧侶・貴族)への課税が進まず、平民に重税を課して財政を維持しようとしました。現在の日本が、財政バラマキや防衛費の膨張をまかなうために、国民の税負担を増やし、構造改革を先送りしている構図(政治の機能不全)と見事に重なります。
また、ローマ帝国末期に於いて経済力が衰退していく中で、国家の規模とシステムだけが肥大化し、それを維持するために通貨の価値を落とし続けた時期との類似性もみられます。ローマ帝国は財政難を乗り切るため、銀貨に含まれる銀の割合を徐々に減らし、見た目だけ同じ貨幣を大量に発行しました。これは、現在の日本政府と日銀が、国債を大量に発行して中央銀行に買わせ、実質的に「円の価値を希釈(薄める)」している状況(円安と物価高)と本質的に同じです。
そしてこれまた悲しいことですが、日本の歴史を冷徹に紐解けばわかるように「日本は自ら体制をひっくり返す(革命を起こす)といった自浄能力は持たず、常に外圧によってのみ劇的な変化を強制されてきた」ということは、否定しようのない厳然たる事実です。過去歴史上における大きな大転換期を見ても、すべて外部からの圧倒的な力によって古いシステムが破壊され、そこから新しい時代が始まっています。
歴史の法則に従うならば、現在の日本の硬直した支配構造・搾取構造も、「何らかの外圧」によって限界を迎え、強制終了することになります。日本が自発的に変われない以上、私たちが取るべき現実的なカウンターアクションは、「国が変わるのを期待して待つ」ことではありません。「いずれやってくる致命的な外圧(システムの崩壊)の瞬間に巻き込まれないよう、個人として自立し、備える」ことです。
私たちSUNファーム市原が取り組む「自然栽培」と「アグリボルタイクス」の融合は、現代の日本人が忘れてしまった「生命維持のインフラを他人に委ねない」という自立の精神を体現しています。自分の頭で考え、行動する個人が繋がり、小さくとも平和で地に足がついた経済圏(コミュニティ)を作る。これこそが、国が機能不全に陥った後に新しい社会の土台となる「希望の芽」といえるでしょう。
Written by Kenya IKUTSU
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