ロシアの農業

2019年04月10日 世界の農業

<ロシアの農業>

ロシアは、人口約一億4,343万人。国土面積は17億ha。世界で一位。日本の45倍の面積を所有します。

広大な国土を持つロシアですが、皆さんご存知のように、大半が亜寒帯および寒帯の気候区分に属しています。
分布すると、北極海沿岸にツンドラ気候、
カスピ海沿岸及びモンゴル国境付近にステップ気候、
黒海沿岸に温帯気候に分かれています。

主要農産物は、小麦・大麦等の穀物、てんさい、ばれいしょ、ひまわり種子等。
森林面積は国土の約5割(約8億ha)で、世界の森林面積の5分の1を占めています。
産業用丸太の輸出量は世界第1位、製材の輸出量はカナダに次ぎ世界第2位(2014年)を記録しています。※1

ロシアにおいて農業とは、経済の土台となる重要な役割を持っており、常に何百万人もの人々が農業に従事してきました。
ロシアにとって農業とは、キエフ大公国(ロシア最古の国家、9~12世紀)の時代から長く続いてきた産業の1つで、第一次世界大戦,ロシア革命,独ソ戦争など…歴史に大きな変動があるたびに、農業には大きな影響、大きな損害がありました。
(農民減少による農業全体の停滞や、農業計画発露による収益料のアップ。戦争による国土、国民への犠牲)

ソ連崩壊後、農業は非常に困難な時代を向かえ、生産量も2分の1以下にまで落ち込みました。
それは国民の購買力の低下と国内市場の衰退という経済全体の問題に関係がありました。農作物の額面上の生産量は、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンなどの巨大な農業地帯を失うことによって、大幅に縮小したからです。
しかしながら、徐々に農業は活発化していき、1999年から2008年までの間に農作物の生産量は1.5倍に増加し、1990年の値の87%になりました(農業植物の生産では130%増、畜産物では60%でした)。

現在、ロシアでは、国が積極的に援助し、農業で経済的に十分に収入が得られる分野となっています。
市場に直接参入するのではなく、ロシア連邦農業省や連邦家畜植物衛生局を通して調整役の役割を果たしたり、銀行を通して投資家としての役割も果たしています。

それ以外にも、「2013~2020年、農業の発展と農作物、原料、食糧市場の調整のための特別国家プログラム」を制定しています。※2

こういった、政府からの援助がある一方で、農村部から都市部への人口の流入が起きています。
なぜなら現在でも、農村部では給料も生活に必要なインフラも現代社会のレベルに合致するものではないことが人口流入の理由として考えられます。
例外といえるのは、多くの収入を得ている個人経営の農場ですが、額面だと生産量が10%以下の為、ロシア全体に占める割合がそれほど高くありません。人口流出と個人経営農場での限界から、農作物の生産量減少の問題は解決できません。

次世代の農業従事者が減少しているのは、ロシアだけでなく、世界的な問題です。
ほとんどの各国の行政は、若い世代に農業に従事してもらいたいと、施策を行っています。
しかしロシアの場合では、特に中小規模の農場は、先に述べた政府からの援助をもっと長期的に必要としているにも関わらず、多くの農場が役所の手続きの煩雑さゆえに国からの援助を断っている状態だそうです。

援助したい国と援助を断る農業従事者。

そして落ち込む農産物生産値、両者両立の上数字をクリアする為には、なかなか難しい問題として、
国と農業従事者の間が、かみ合わないようです。