異種業の大手企業の農業への参入。日本航空が農業をスタート

2019年02月23日 農業ニュース

昨今異種業大手企業が、農業に参入を発表するのが増えてきています。
例えば、セブンイレブン、ローソン・イオンや、外食チェーンのサイゼリヤ、セコム、JR東日本なども参入しています。

しかし今まで、農業の企業参入には何度かブームがあり、第一次、第二次と続き、現在は第三次にあたります。
2009年の農地法の改正以後、農地をリースすることで一般法人(NPO法人、特例有限会社、株式会社)の参入が原則自由化されたこともあり、三度目のブームが訪れました。

時事ドットコムニュースによれば、日本航空(JAL)が農業に参入し、
子会社を通じ、成田空港の近郊で体験型の観光農園やレストランを運営し、栽培した農産品をJALブランドで販売すると発表しました。

JALは、2010年の経営破綻にて、大いに世間を動揺させました。
生まれ変わったJALは新規事業を模索。かつては絶大な存在感を誇った成田空港周辺で、地域振興に貢献するとともに、存在感を回復する道を探ったところ、
浮上したのが農業です。

今回、子会社「JAL Agriport(アグリポート)」を設立。
農業関連事業を幅広く展開する「和郷」(本社・千葉県香取市、木内博一社長)と組んだ、社長の鎌形晶夫さん(58)と社員1人のベンチャー企業です。

鎌形さんは日航に入社後、国際線の機内で客室乗務員を束ねるチーフパーサーを担っており、
機内食やビデオ、アメニティーなど客室サービスの企画、就航都市の機内食会社とやりとりする機内食オペレーションなども担当していました。

 

新会社の事業の柱は、
①イチゴやサツマイモなどの収穫体験や食事を楽しめる「体験型農園施設」
②自社や千葉県各地で栽培した農産品を使ったプライベートブランド商品の開発・販売
③千葉県各地の農産品の販売。

この3つだといいます。

体験型農園施設は、空港のターミナルビルから数キロ、車で10分ほどの地点に当初2ヘクタール(1ヘクタールは100メートル四方の広さ)の農地を確保。全体で畑、ハウス、元ナシ農園からなる4.5ヘクタールまで拡大する計画です。

大型ハウスは、2018年5月には1ヘクタールにベニハルカとベニアズマの2種のサツマイモの苗を植え、芋掘り体験を日航グループ社員に呼び掛けているほか、近隣の幼稚園にも参加を打診を行い、活性化を目指しているそう。
同年10月には、イチゴの栽培も開始し、栽培技術の向上やノウハウを収集する上で、ゆくゆくは2020年にイチゴの摘み取り体験を事業化させたい考えなのだそうです。

千葉県成田市が2020年の開業を目指して空港の隣接地に「新生成田市場」の整備を進めていることも追い風となっており、現在の成田市公設地方卸売市場の移転先となる新市場は、従来の市場機能に加え、訪日外国人観光客を狙った集客施設棟を併設する。その物販ブースへの出店を考えているそうです。この市場はワンストップ輸出拠点機能も備えることから、将来、新ブランドで農産品や加工品の輸出をする際、大きなアドバンテージを確保できそうですね。

日航と和郷という巨大組織がバックについているとはいえ、JALアグリポートは駆け出したばかり。本社は日航の成田オペレーションセンター内。

「まだ売り上げが出ないのが苦しい。何から何まで自分でやらないといけないので大変だ」という鎌形さんだが、その声は明るく弾んでいる。同時に「これまでは夢を語ってばかりだったが、実現する段階に入っている」と気を引き締めている。