その昔、田舎では生活できないと多くの人々が都市へ逃れ出た時期がありました。
今は逆に都市での生活は危険であると田舎へ避難する人々増え始めていますが、田舎へ逃れて、どういったライフスタイルを確立すべきでしょうか?
当然田舎にも2次、3次産業は存在しますが、そういった都市型産業従属型の仕事を100%生業として生活するということではありません。
1次産業で営利をとことん追求した機械化大型耕種農業、大掛かりな環境制御を施した植物工場というもの至っては論外です。
好むと好まざるとに関わらず、我々は未だにマネー資本主義社会に身を置いているわけですから、必要最小限の通貨(キャッシュ)については何某かの手法で得る必要があるとしても、自分の食い扶持は自分でまかなう、自給自足型の小農を実践し、そして余ったものについては地域内でシェアしていく、いわば人間生存の基本であるライフスタイルを確立する動きが今後加速していくのではないかと思われます。
即ち、人間本来の食性に合致した四季折々の作物を自ら栽培し、自分たちの食い扶持は自分でまかなう、独立百姓最大の功徳を取り入れた生き方です。
都市の食品売り場に並ぶ農薬てんこ盛り、添加物まみれの食性反逆商品から逃れたいと思う人は年々確実に増えています。
当たり前ですが、自分が食べる栽培作物に自ら毒を吹きかける人はいませんよね。
人々がその生産活動と消費活動を等身大に合わせて地域の皆と力を合わせて生きていくなら、生産と消費の均衡がとれてデフレもインフレも起こらないでしょう。
人間生存の基本に戻ることで、資源は節約され、環境は悪化せず、健全な経済をベースとした平和で繁栄した地域社会を創り上げることが可能になると考えられます。
このユートピアを実現させるための有力な手段としてアグリボルタイクス(ソーラーシェアリング)なるものがあります。
アグリボルタイクスとは、営農型太陽光発電、即ち、耕作地の上約3mの位置にそれぞれの作物に適した遮光率で設計された間隔で太陽光パネルを設置することで、ひとつの土地からクリーンエネルギーと食料を同時に創り出す仕組みですが、創りだしたエネルギー(電力)は販売することも、自家消費として使用することも可能であり、収益性を高める仕組みとして世界中で注目が集まっています。
正にクリーンな食とエネルギーの地産地消ですね。
現状の日本に於いては、わたしたちの食生活で必要な食料を、国内生産で賄えるのは約4割、残りの6割は輸入に頼っています。
日本が海外から食料を輸入するということは、その国のエネルギーや資源、水を使用して生産し、輸送しているということになります。
フードマイレージとは、食料を運ぶのにかかったエネルギーを表す指標です。生産地から食卓までの距離が長ければ長いほどフードマイレージの値は大きくなるのですが、日本は先進国の中では断トツで値が大きく、環境への負荷が高いとされています。
アグリボルタイクス(ソーラーシェアリング)はエネルギーも食材も地産地消、一歩先を行く未来型農業のカタチですが、でも考えてみたら当たり前のことですよね、エネルギーも食料も地産地消であるべき、というのは。
更に混沌としていく世界の中で、若しも「何か」予期せぬ災害が起こったときにあなたは今のライフスタイルを続けていることで自分自身や大事な家族を守ることができますか?
「何か」が起こったとき、工業製品やサービスの輸出と引き換えにするような、安易な農畜産物の輸入を永遠に続けていくことは果たして可能だと思いますか?
世界的な穀物価格の高騰、食料不足が進む中、先ずは食料の安定供給を確保することが喫緊の課題だと思いませんか?
「食とエネルギー」は地域社会の絆、そしてあなたの身を守る根幹だと思いませんか?
「何か」が起こってからでは手遅れなのです。
日本はGDPの2倍以上の負債を抱えておりその負債額も世界で2番目に大きく、財政破綻が起こる臨界点に限りなく近づいているといわれていますが、天文学的な数字まで膨らんでしまった負債を永遠に放置することは不可能であり、このまま永遠に負債を膨らませていくことは有り得ない選択肢です。
いずれプライマリーバランスを適正な数値に戻すときがやってきて、それはどのような形をもって行われるかは知る由もありませんが、「備えあれば憂い無し」、どうすれば最悪の事態に陥ったときに自分と周りの人間を守れるか、について真剣に考える必要があります。
地に足が着いたライフスタイルを確立しつつ、世界に誇れる心豊かな地域社会というものを創り上げるべく、我々と一緒にアグリボルタイクスの輪を広げていきませんか?