表題の「戢鱗潜翼」とは、志を抱いて、時節の到来を待つことを意味する言葉です。
戢の字義は、武器の戈(か)を収める、安ずるの意。
戢鱗は、魚や竜が鱗を仕舞い込んで、じっとしていること。
潜翼は、鳥が飛ばずに翼を収めている様。
「龍が鱗を休め、鳳が翼を収めて静止するさま」を表したもので、「シュウリンセンヨク」と読みます。
慌てず騒がず冷静沈着に時節の到来を待つ、ということを意味しています。
因みに中国では「韜光養晦」という表現が一般的なようですね。この言葉は、中国の対外政策を形容するために用いられたとも言われていますが、「韜光」とは名声や才覚を覆い隠すこと、「養晦」の意味は隠居することを意味します。
これは「爪を隠し、才能を覆い隠し、時期を待つ戦術」を形容するために用いられている言葉だそうです。
終末の時代、来(きた)るべき「その時」に備えて心技体を常時万全なものに整えておくことを心掛けています。