トルコはアジアとヨーロッパの2つの大州にまたがる共和国で、北は黒海、南は地中海、西はブルガリアとギリシャ。
東はジョージア(グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャン、イラン、イラク、シリアと接しています。
数々の部族や王侯が盛衰を繰り返し、オスマン帝国時代には周辺地域に強大な勢力を誇っていました。
GDP(国内総生産)は約7,200億ドル。
ユネスコ世界文化遺産が各地にあり、江戸時代から日本と友好関係にあり親日的、訪れる日本人観光客も多いです。
国土面積は日本の約2倍。農用地面積は国土の約半分を占めています。
地中海・エーゲ海地域は地中海性気候、黒海地域は海洋性気候、内陸部はステップ気候と、地域による気候差が大きく、多種多様な農業生産をもたらしています。
トルコの主要農産物のうち、
ヘーゼルナッツ、さくらんぼ、いちじくの生産量は世界第1位
すいかが世界第2位(FAO:2014 年)
特にヘーゼルナッツは生産量で世界の 63%(2014 年)、輸出量では 69%(2013 年)を占めています。
トルコでは、国内総生産に占める農業の比率は年々下がっていますが、農業総生産額は近年でも増加しており、10年間で年平均2.7%成長しています。
農林水産従事者の人口は約1450万人にものぼり、農村を中心に、今なお労働力全体の約25%が農業に従事していました。※1
何故、トルコは高い食料自給率を維持できるのか。それは、トルコの長い歴史にも起因します。
トルコの首都、イスタンブールは東西南北に通じる十字路と言われ、古くから物流、補給拠点として栄えてきました。
多様な人が、物が、農産物が集まり、作られるようになり、農業も発展しました。しかし、東西南北に通じていることは軍事的には四方から侵略を受けやすいということ。
その経験からトルコは、国家の独立に際し、食糧の安全保障が最重要課題と考え、嗜好品を除いて完全自給体制を築いてきたのです。
経済発展に伴い人口が急増したこと。そこへ観光客が加わり、食糧需要が飛躍的に高まったからです。
結果農村の人口が減り、残った人は付加価値の高い農産物を効率よく作った結果、1人当たりの所得が2002年から8年間で3.5倍にも伸びたのです。
ですが、黒海沿岸、東部・南東部では、地域経済に占める農業の比重はまだまだ多く、政府も農業政策として、穀物の価格支持政策、一部農産物・食品に対する輸出補助金を実施しており、国も農業従事者を補助していく仕組みもあります。
日本の食料自給率は約64%※2 自給率向上の鍵はトルコのような国にあるのかもしれません。
※2 農林水産省農業補助金に関するページ http://www.maff.go.jp/j/new_farmer/