こんな方におススメです・・・
◆ 今までと違う農業に取り組みたい
◆ 自社の商品開発で悩んでいる
◆ 何をはじめていいか分からない
そんな悩みをお持ちの方におススメの情報です。
弊社の農園「SUNファーム市原」ではこれまで、授粉用にミツバチを飼育していましたが採蜜も可能な養蜂をスタートいたしました。ハウス内ではトマト、ソーラーシェアリングの下ではブルーベリーをはじめとする複数種の作物栽培を行っており、蜜源も確保されているので環境的にはある程度整っています。
ここでは弊社農園における養蜂の様子やそのメリットについてまとめています。
ハチミツの歴史は古く、スペイン・エジプト・ギリシャ等で養蜂を行っていた跡が見られます。メソポタミア文明ではミツバチを飼い慣らし、蜜を採取していた様子がトルコの鉱脈に洞窟壁画に残されており、紀元前6500年前のものと言われています。
甘味料が無く、今のような養蜂の技術もなかった時代においてハチミツは大変希少価値の高いものでした。
19世紀半ばに今のような引き出して採蜜を行える養蜂用の巣箱が開発され、飛躍的に生産性が高まり世界中の広い範囲で養蜂が行われるようになります。
日本において古くは「日本書記」にミツバチの事が記されており、養蜂を試みたが失敗したという記録が残っています。本格的に日本で養蜂が行われるようになったのは江戸時代からです。
現在、日本国内のハチミツの生産量は非常に低く、2016年のデータでははわずか5.4%の自給率です。
プロの養蜂家はおよそ6000戸と言われていますが、趣味や副業で行っている方々が多く、その分を含めると数万件になるだろうと予想されています。
養蜂の魅力としては、やはり商品単価が高いという事が挙げられます。蜂の品種によっては1㎏=1万円になることもあるようです。多少日曜大工の心得があれば、巣箱は手作りで済ませることもできますし、初期投資としても低コストでスタートできるのが魅力です。
手間も比較的少なくて、他の農業と違い水やり・草刈り・肥料やり等もありません。養鶏のようにエサをやる必要もありませんので、規模にもよりますが体力に自信のない方でも可能な農業です。
ペットとしての意味合いで飼う方もおり、できたハチミツは近所で分け合う等、家庭菜園の延長として営利を度外視した方も少なくないようです。
初心者の方はやはり、最初「刺されることが恐い」と思われるかもしれませんが、ミツバチは私たちが思っている以上に大人しいので、その点は過度な心配をしなくてもいいかもしれません。巣に刺激を加えたり、香料の纏った状態で巣に近づかない等の配慮は必要ですのでご注意ください。
もちろん長く養蜂を行えば、刺される可能性が高くなるので、防護服の着用をお勧めいたします。
その他、気を付ける点としては他の農業と同じく病気や害虫に注意が必要です。これらは最悪の場合、巣を全滅させてしまうこともありますので、時期を見て対策をするという手間必要になるでしょう。
養蜂と聞くと難しいイメージがありますが、養蜂には資格や免許等は無く参入障壁は比較的低いので、誰でもはじめることが可能です。
基本的には養蜂振興法に基づき、飼育届を自治体に提出する必要はありますが、特に審査が入ることはありません。
※自治体により変わることがありますので、ご確認ください。
スタートすること自体は難しくないのですが、やはりしっかりとした準備が必要です。
いかにミツバチと言えども、何もないところからハチミツを作ることはできません。ハチミツを作るためには蜜源となるものが近くにある必要があります、そのため土地選びや周りで花をつける作物の栽培を行うなど、環境を整えることは重要になってきます。
養蜂のデメリットというか、難しい点としては上記に関連して容易に拡大できない点にあります。狭い日本で蜜源の土地を確保することは容易ではなく、2つの巣が近いと蜜の奪い合いになるため単純に巣を増やして、生産性を上げるというやり方はできません。その点を踏まえて他の作物と噛み合わせる等、営農計画における工夫が必要になります。
ソーラーシェアリングの実験農園であるSUNファーム市原でも養蜂をはじめました。まだ小規模で実験的な要素もありますが、現在のところ順調に進んでいます。
弊社のソーラーシェアリングの下ではブルーベリーの栽培も行っているため、蜜源としても都合が良いです。
また、生き物ですので当然暑さには気を使わなくてはなりませんが、ソーラーシェアリングの下であれば適度な日陰作られるため、養蜂との相性も良いと思われます。これらも含めソーラーシェアリング圃場と養蜂の組み合わせによって予想されるメリットを以下の通りまとめました。
◆ 日陰により、ミツバチを暑さから守る
◆ 日陰により、作業者を炎天下から守る(作業軽減)
◆ 架台を利用した環境づくり(巣箱の固定、防鳥防虫ネットの設置)
◆ パネルによる巣箱の雨除け
◆ ソーラーシェアリングのパネル下作物の受粉を促す
<注意点>
ソーラーシェアリングは農業として作物の収穫を必要とするため、養蜂のみで行うことはできません。
作物との組み合わせも考えながら営農計画に組み込む必要があります。
ちなみにソーラーシェアリングと相性が良いと思われる蜜源植物の作物にはブルーベリー、蕎麦、菜の花等が挙げられます。
以下は年間スケジュールです。まだ始まったばかりで随時変更が入るかもしれません。
春先に新しい巣箱へお引越ししました。専門の方に指導受けている様子が伺えます。
プロの方は手袋もせず、手際よく作業を進めて行く姿に驚かされます。
2021年6月はじめての採蜜が行われました。
巣箱から取り出した巣板には、しっかりとハチミツが詰まっています。
巣板の蜜蓋を切り取り遠心分離器にいれると、遠心力でハチミツ取り出されます。
貴重な採れたてのハチミツができました。
今回はまだ量が少ないですが、今後商品化に繋げていきたいと思います。
テスト的に販売を始めた蜂蜜です。CO2を削減する農法環境の中、育ち作られた商品としてブランディングしていく予定です。
まだ規模が小さく量的にも少ないのですが、これからソーラーシェアリングをはじめる方には、良い提案スキームとしてデータを積み上げていきます。
※ ブルーベリーの開花時期が終わると、ブルーベリーの外に巣箱を置いて広く蜜源を見つけられるようにしています。
ハチミツには約190種類の栄養成分が含まれています。
最近よく「抗菌パワー」という言葉を耳にしますが、体のなかにハチミツを取り入れると、ある成分が体内に入った細菌やウイルスを撃退する可能性があるというものです。
ハチミツの成分は体内に入ると酵素と反応して細菌を消毒する物質を作り出します。インフルエンザウイルスにも、新型コロナウイルスにも脂肪の膜があり、この膜が接近成分をガードします。長崎大学の研究で、ハチミツにはインフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがあると示しています。
ハチミツは砂糖に比べ甘さは3倍ですが、対してカロリーは25%低く、肥満の人が砂糖とハチミツに分けて1ヶ月接種した際における血糖値の変化(空腹時)を測定した実験があります。結果、砂糖の人は2.2%上昇。ハチミツの人は4.2%下がりました。
この実験結果からも通常の砂糖よりもハチミツの方が身体に優しいと言えるでしょう。
更に、悪玉コレステロールの数値もマイナス5.8%となり、ハチミツは動脈硬化を遠ざけてくれる可能性があります。フラボノイドが血管を拡げ血流の改善を促します。
ハチミツとコーヒーの組み合わせは血管老化の予防になりそうです。フラボノイドは熱に強いので熱しても冷やしても問題ありませんので、調理や食べ方に気を使う必要はありません。
中部大学 応用生物学部 応用生物化学科の研究(2021年1月プレスリリースより)ではハチミツに含有する成分である「マルトビオン酸」に注目し、骨の健康維持機能に関する効果について評価を行っています。マウスを使った実験によりマルトビオン酸を含まない飼料を摂取したマウスと比較して、大腿骨中のカルシウムや骨密度の減少が有意に抑えられることが確認されました。
また、40~60代の本学女性職員対象に、マルトビオン酸を含む顆粒を1日4g、4週間摂取するヒト臨床試験も実施しており、マルトビオン酸を継続摂取することで骨成分の流出を抑えることが明らかとなるデータが取れております。
日本における骨粗しょう症患者は1,300万人と推計されており、今後健康食品などへの応用が期待されます。
(WEB参照ページ)
「林修の今でしょ!講座 ~3時間SP~」2020年3月10日(火)放送内容 | テレビ紹介情報 | 価格.com
中部大学HP
一般社団法人日本養蜂協会HP