トマトのはじまり

トマトの故郷は、南米ペルーを中心としたアンデス高原の太平洋側の地域という説がもっとも有力だそうです。

現存の野生種はいずれも現在のミニトマトに近い形でした。トマトはやがて、人や鳥の手によりメキシコに運ばれ、栽培され食用になったと考えられています。

トマトはやがて海を越えスペインへと運ばれました。その背景には、1492年のコロンブスによる新大陸発見が大きく関係しています。

コロンブス以降、大勢のスペイン人が続々と新大陸に押し寄せ、歴史を、人を、文化を蹂躙しましたが、その戦利品のひとつとしてトマトを持ち帰り、ヨーロッパに広めたと考えられています。

最初は観賞用に栽培がスタートされたトマトでしたが、食用として認知され始めたのは、18世紀には入ってからと言われています。

日本にはオランダ人によって、18世紀のはじめに伝えられたと言われています。

日本でもしばらくは観賞用として栽培されていましたが、食用として広まったのは明治時代をすぎてから。

アスパラガスやにんじんなどの西洋野菜とともに、あらためてヨーロッパやアメリカから食用野菜として導入されたのがきっかけでした。

トマトが赤くなれば、医者の顔は青くなる

こんな言葉をご存知ですか。

一見諺のようですが、厳密に言うと、諺ではありません。

「一日一個のリンゴで医者いらず」というイギリスのウェールズ地方の諺を、

日本にある「柿が赤くなれば医者は青くなる」という諺を交えて、意訳したものだそうです。

「医者いらず」と言葉を作ってしまうほど、その言葉に信憑性を帯びてしまうほど、トマトには栄養が豊富なのです。

どうしてトマトは赤いのか

トマトはカロリーも低く、栄養素が多く含まれている健康野菜です。

トマトの栄養素として真っ先に名前が挙がるであろうリコピンでしょう。

リコピンは、カロテノイド(黄、橙、赤色などを示す天然色素こと)の一種です。


リコピンが赤い為、トマトは真っ赤なのです。


リコピンは効果の全てが解明されてはいませんが、


ビタミンEの100倍とも言われるほどの抗酸化作用があると言われます。


血中のコレステロールの酸化を予防して血栓を防ぎ、血流を改善する働きや肥満予防にも有効な成分です。


ほかに今わかっているだけでも、生活習慣病予防や老化抑制にも効果があると言われ現在もさまざまな研究が行われています。

 

また、トマトにはビタミンA、C、食物繊維も多く含まれているほか、

ビタミンH、Pといったビタミン類を多く含んでいます。ビタミンH、Pはお互いの相乗効果を発揮し、


細胞と細胞をつなぐコラーゲンを作ったり血管を丈夫にしたりと、重要な役割を果たしてくれています。

リコピンの効率の良い摂取の仕方

 

リコピンは生で食べるよりも、油と一緒に摂取することで、吸収率がアップします。

また、リコピンは熱に強い物質で、調理の際に熱を加えても 成分が減少することは、ほとんどありません。

つまり、パスタやピザなどで良く見られるトマトとオリーブオイルの組み合わせは、

効率よくリコピンが摂取できる食べあわせなのです!

 

さらに、トマトには昆布と同じうま味成分「グルタミン酸」が含まれています。

トマトソースなど、一緒に煮込む食材のコクやうま味を引き出します。


さらに、クエン酸やリンゴ酸といったトマトの酸味が、 脂っぽさを押え肉や魚の臭みを消してくれる効果がある為、


パスタやピザだけでなくアクアパッツァやマリネなどにも効果的。

ちなみにこのグルタミン酸は、野菜の中だと、トマトがより多く含んでいます。

トマトの国内マーケットと世界のマーケット。

 

737,200トン

この数字は、日本国内においてのトマトの総生産量です。詳細はこちらからhttp://www.maff.go.jp/j/tokei/index.html

 

 

生食用トマト

独立行政法人農畜産業振興機構(http://www.alic.go.jp/vegetable/)にありますが、2018年6月時点で海外から日本へのトマト総輸入数は、519,888トンです。

ちなみに世界から日本にトマトを輸入している国、TOP3は、以下の通りです。(2017年1月~2018年6月までの期間で計測)

50%以上がお隣の韓国に頼っています。

次に、日本から海外への生鮮トマトの輸出量です。
順位は度々入れ替わりますが、シンガポールと香港がほぼ同数で、日本のお得意様になります。
日本からトマトを輸出している国は、シンガポールと香港のみ(2017年7月~2018年6月の1年で計測)で、それぞれ2トンずつ、計4トンが輸出されていました。

トマトの加工品

「トマトの加工品」は、以下の通りの分類で輸入されています。(2017年1月~2018年6月までの期間で計測)

この表によると、約36%でイタリアが最も多いようです、さすが本場!

海外からの輸入量TOP3に対して、以下日本から海外へのトマト加工品の輸出量は以下の通りです

「トマトの加工品」では、香港をはじめとして、約1,300トンの輸出を行っていますが、それでも、519,888トンという、海外からの生鮮トマトの総輸入量に対し、日本のトマト加工品の輸出量は随分小さく感じます。

各国のトマトの調理方法と流通の関係

では、なぜ海外からの輸入量に加え、国内で生産量が約74万トンあるにもかかわらず、日本からの海外へのトマト加工品の輸出量は規模が小さいのでしょう。

国内で流通しているトマトの大半が生食用だからです。

では、何故生食用が多いのか。それには、海外と日本のトマトの食べ方が背景にあると思われます。

トマトは海外では加熱して食べるのが普通だからです。

国や地域によっては、ハンバーガーに挟んだり、サラダにする習慣もあるようですが、日本のように生でトマトを食べるのがメインの国は世界的に見ても少ないです。

実際日本で今流通の大半を占めている品種のトマトは、「桃太郎」という品種です。

大玉で果肉が厚く、ゼリー部分が多く、甘みと酸味のバランスがよいです。青臭さや酸味が少ないため、サラダのほか、ジュースやソースに適す、生食用のトマトです。

最近は、フルーツトマトなんて、糖度が8を越える甘いものも流通しています。

しかし、トマトを加熱して食べる海外では、当然、加熱に適した品種の栽培が主流です。

海外では、生食用の品種自体が珍しいもののようです。

トマトの生育とソーラーシェアリング

トマトの生育には、水はけのよい土壌や日照量がたっぷりあること、昼夜の温度差があることなどが必要ですが、

一般社団法人ソーラーシェアリングでは、従来の縦型栽培とは、また違う、

太陽光発電を使用したオール電化ハウス内で、再生エネルギーを利用した、水気耕栽培を行っています。

現在、SUNファーム市原では、4種類のトマトを生育しています。

 


フルティカ
糖度が7~8度で果重は40~50gの中玉トマト。

果肉は滑らかで弾力性があり、食感のよい品種。果皮は薄くて弾力性があります。

トマトは寒暖の差が大きい春・秋季に裂果が多発しますが、フルティカは弾力性の強い果皮が伸縮作用により裂果を防ぐので、裂果が少ないことも大きな特長の一つです。

 


ちばさんさん

千葉県が消費者ニーズの多様化に応えるために開発したオレンジ色の中玉トマト。

普通の大玉トマトに比べて、食味が良く、β―カロテンやビタミンCが豊富で、糖度が平均7.3度と高く、色、形などが普通のトマトとはっきり区別できる特徴です。

 

 

麗旬

1玉が220g~230gになる大玉トマト

麗旬は、黄化葉巻病の耐病性はもちろんの事、超硬玉で樹熟に向きます。

又、春の軟化玉の発生が少ないので、抑制の長期どりや促成栽培に向く品種です。

 


桃太郎 ピース種
果重は220g程度になる大玉種。

桃太郎は、現在市場に出回っている最も一般的な品種で、現在は品種も20を越えさまざまな種類が市場に並びます。

桃太郎ピース種は、拡大する黄化葉巻病についても耐病性を付与し、なおかつしっかりとした甘みと適度な酸味とのバランスが初代「桃太郎」のおいしさを受け継ぐ品種となっています。

果肉は硬玉で店もちもすぐれています。

 

弊社実験農場「SUNファーム市原」については下記よりどうぞ!