再生可能エネルギーと環境について

経済産業省のホームページによると
再生可能エネルギーの定義を以下のように説明しています。

<再生可能エネルギーの定義>
エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する
法律(エネルギー供給構造高度化法)においては、「再生可能エネルギー源」について、
「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると
認められるものとして政令で定めるもの」と定義されており、政令において、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱
その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。

太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといった再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、
国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源です。

パリ協定の実現や後述するSDG'SやRE100等、再生可能エネルギーに係る期待は今後も大きくなっていくでしょう。
その反面、誤解や課題も多く今後向き合わなくてはならない問題もあります。

太陽光パネルの処理問題

経済産業省のホームページの記事によると、
FIT開始後に始まった太陽光発電事業は2040年頃に終了し、太陽光パネルを含む廃棄物が出ると予想されています。

<有害物質が流出・拡散されるのでは?>
太陽光パネルには、いくつかの課題が指摘されていますが、

まず、よく聞くのが「太陽光のパネルは有害な廃棄物になるからするべきではない。」「太陽光パネルは環境を破壊する」
と言った議論がなされます。

たしかにパネルの種類によって鉛、セレン、カドミウムといった
有害物質が含まれているので廃棄される際に環境を破壊するという話がありますが、これは少し、歪んだ伝わり方です。

パネルには適切な処分方法があります。
「管理型最終処分場」等という場所で埋め立てを行う等、本来は廃棄物処理業者によって対応されるはずなのですが、
このことが業者によっては伝わっていない、または十分な知識を持っていないため適切な処理が行われていない場合が発生します。
また、残念ながらコストがかかるからという理由で業者が不法投棄をするケースもあるようです。

これはもはや企業倫理や廃棄システムの問題であり、太陽光パネルが環境破壊に即繋がるというのはいささか乱暴に聞こえます。

忘れてはならないのが、パネルの廃棄技術も以前とは比較にならないほど進歩しています。
取組事例のひとつとして、鳥取再資源化研究所と丸紅グループは、太陽光発電パネルの回収と強化ガラスの原料化を行い、鳥取再資源化研究所の特許技術を利用してガラス発泡材を製造するとの発表がありました。 https://solar-sharing.org/?p=19559

ちなみにヨーロッパではすりつぶしたパネルの廃材をアスファルトに混ぜて道路に敷くという技術もあるようです。官民一体の取組ですね。
日本では残念ながらこの辺はまだ遅れが見られるようです。

太陽光パネルの処理問題

また、近年パネルのリサイクル技術も進んでおり
日経新聞では以下の様なニュースを取り上げておりました。

「太陽光パネルのリサイクル始動、出光が処理施設」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56029480V20C20A2TJ1000/

これによると、出光興産が100%出資するパネル大手、ソーラーフロンティアは宮崎県に
リサイクル設備を導入し、レアメタル(希少金属)等の資源回収を行うことができます。

パネルの寿命は一般的に25~30年と言われていますが台風など災害の影響もあり、廃棄が膨らむ見通しとのことです。
そのため、有害物質を処理する業者が不足するのではと懸念されていますが、このようにパネルメーカーや発電事業者、
産業廃棄物処理業者がリサイクルを進める動きも見られています。

SDG'Sとは?

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として記載されました。

「誰一人取り残さない」をキーワードに、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、17の国際目標が立てられました。(169のターゲット、232の指標が含まれる)

代表的なものとしては「飢餓問題」「環境問題」「エネルギー問題」・・etc

世界では電力を使用できない人が20%(およそ5人に1人)いると言われており、なおかつ地球温暖化に影響を与えないクリーンエネルギーの普及が叫ばれており、国際連合でも再生可能エネルギーへの投資を呼びかけています。

日本の取組としては2016年5月に総理大臣を本部長,官房長官,外務大臣を副本部長とし,全閣僚を構成員とする「SDGs推進本部」を設置し,国内実施と国際協力の両面で率先して取り組む体制を整えました。さらに,この本部の下で,行政,民間セクター,NGO・NPO,有識者,国際機関,各種団体等を含む幅広いステークホルダーによって構成される「SDGs推進円卓会議」における対話を経て,今後の日本の取組の指針となる「SDGs実施指針」を決定しています。

しかしながら日本は「化石賞」を受賞する等、まだまだ課題が多い様子です。
<化石賞>国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)や、これに向けて事前に開かれる国連気候変動交渉会議などの会期中、
地球温暖化対策に対する姿勢が積極的でない国などに対して非難と皮肉を込めて授与される賞。

弊社関連記事「持続可能な開発目標(SDGs)への取組」
https://solar-sharing.org/?p=20147

RE100とは?

RE100 プロジェクト は、事業活動によって生じる環境負荷を低減させるために設立された環境活動です。
「Renewable Energy 100%」の頭文字から RE100 と名付けられました。  参照:ウィキペディア

事業運営を100%再生可能エネルギーで調達する企業が加盟しており、大手の名だたる企業が加盟しています。
二酸化炭素の排出量を削減し、低炭素社会への移行を目指しての活動ですが、同時に環境への配慮も徹底しており、自然破壊につながるような発電所の類はこの調達元から排除されています。

近年では「ESG投資」への注目が高まっています。
ESGとはEnvironment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせた言葉で、ESG投資とは環境問題に対する取り組みを評価して投資家が企業に株式投資をするものです。

地球温暖化や環境破壊に対する社会的な意識の高まりが、単純に金銭的なリターンだけではない価値を求めるようになってきています。

このような流れはRE100とも関わっており、ESG投資のトレンドは環境配慮のない企業に対し資金調達を難しくする可能性が出てきました。
いわゆる「何もしない」ことがリスクとなるわけです。

話をRE100に戻すと世界で200以上の企業が名を連ね、加盟企業は100%再生可能エネルギーを使った事業運営を2050年までに達成することが求められています。加盟企業は下請け企業に対しても再生可能エネルギーの使用を求める事が多く、今後更に広がっていくかもしれません。

日本では30社を超える企業が加盟しております(内27社が上場企業)。

RE100に加盟する条件

RE100に加盟する条件は以下の項目のうち1つ以上に該当する企業とされています。

1. 世界的な企業、または国内で認知度や信頼度が高い企業
2. 主要な多国籍企業
3. 電力消費量が100GWh以上(日本企業は10GWh以上)の企業
4. RE100の目的に貢献できる、特徴や影響力を持っている企業

更に加盟企業には2050年までに100%再エネ化の達成が求められており、
なおかつ、中間目標も設定されております。対象の年において、目標割合の達成が必要です。

※ 日本は諸外国と比べて再生可能エネルギーの環境が遅れているため、中間目標は推奨として設定されています。